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えんがわあぶり

精神疾患を馬鹿にしていたら自分が精神障害者になっていた。

深夜、ビルからはみ出す光を暗闇に感じるようになったのはいつからだろう。

長い時間をかけることで仕事ができるように見えるらしい。

やらなくていい確認や会議をすることが社会のためらしい。

深夜の作業はどこか魅力的で、乗り越えた事実が自分を強くさせるらしい。

自分の仕事を後輩に押し付けることが勉強らしい。

 

出社を少し早めたり、退社を遅めたり、それを「善」とする人たちがいるらしい。

 

「私もつらいよ」「俺の若いころは」と辛さをかき消すのが社会らしい。

逃げることは「悪」らしい。

でも、「体調管理は仕事のうち」らしい。

 

深夜、ビルからはみ出す「努力」の形は真四角で、青白く光っている。

「らしい」の不確かなルールに縛られた人が真四角の中に確かに存在する。

精神の寿命を削りながら。てっぺんを過ぎた時計と戦いながら。

綺麗な夜景の中に、誰かが生きている。

 

深夜、ビルからはみ出す光を感じるようになったのはいつからだろう。