えんがわあぶり

精神疾患を馬鹿にしていたら自分が精神障害者になっていた。

ミドリカワ書房という道

医療の力を実感しています、寿司マーブルです。

 

ミドリカワ書房を知ったのは小学生の時。親と姉がどこかで知って、ついでに教えてもらった。

顔は普通のおじさん。声は素朴。聞きなじみがいいともいう。

全く売れている気配がない、でもファンは彼のことが大好きでこのバンドは頑丈な座布団の上に乗ってここまでやってきたんだと思う。

 

彼の魅力は歌詞の内容。これに尽きる。

 

ポジティブに好きな人の部屋に忍び込むストーカーの女の子の歌。

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どエロイ保健室の先生が男を食い散らかす歌。

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教授と不倫していた女子大生が大学を辞める歌。(見つからなかった。おそらくある)

万引きGメンの歌。(MVが消えていた)

 

字面がパワーワードの連続。最高ですね。これだけで聞きたくなりませんか。

もっとえぐいのもあります。

これだけあると一つくらい自分に引っかかるものが見つかりそうですね。

 

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私の場合は「頑張るな」という曲がすごく自分の支えになっています。

受験の一番大事な時期にうつで倒れた。毎日起き上がるのは数時間。

体重も落ちて、思考もどんどん歪んでいって、世界が灰色にしか見えなかった時期。

姉が「ドライブに行こう」と私を引っ張ってこの歌を車の中で聞かせてくれました。

そして二人で泣いた。しこたま泣いた。

だから今でも聞くとあの時のことを思い出します。

心配しなくて良い 

てめぇの体心配しろ

だからさ 

そんなに頑張るなよな 

適当でいいじゃんか

あの時姉は何も言わなかった。責めることもなかったし腫れ物に触るようなこともしなかった。

でも抜け殻になってもなお「動け」と囁く本能に従おうとしていた私に、この歌を聞かせてくれた。いい思い出です。

それからしばらくたって、留年してしまった私に姉は「気にすんな。そんくらい出してやる」と言ってくれた。

姉は私にとってスーパーマンのような人で、でもすごく頑張っているのも知っているから、そんな言葉で片づけてしまうのも気が引ける。姉の話はまた書きます。

 

この曲はyoutubeにあるので気になる人は聞いてください。

(非公式なので貼るか迷いました)

 

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整形したい、と思う時はいつもこれを思い出します。

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激しめの曲。整形したい女の子の歌です。

MVは大体ボーカル本人が登場しています。ママも本人。綺麗ですね。

そんなに悲しい顔しないで

ママって泣き顔も綺麗だよね

 

それに比べて私の顔は…

いや もう言わない

もう言わないわ

この歌詞は欲望が詰め込まれすぎていてすごいです。

卑下ばっかして他人をうらやんで鏡を見ては泣いていた女の決心は固いです。

ママの悲しい気持ちにつられず、むしろそ泣き顔さえ決意を固くさせてしまうものになってしまっている。

 

そしてこの女の子は無事に顔を変えることに成功します。なんでわかるか?

この曲には続きがあるんです。

「心」という曲が「顔2005」の続編ではないかと言われています。

彼女は幸せになれたのか?ぜひ聞いてみてください。(youtubeにあるよ)

 

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死ぬほど重い曲があります。何曲もあります。

「ごめんな」「おめえだよ」「妹の日記」など紹介したいのはあるんですが、非公式の動画しかないので気になる人は聞いてください。簡単に説明すると、

「ごめんな」は自分の子供がいじめられていたことを知った父親の歌。

 父さんお前をいじめた奴らと

気づいてるくせに知らん顔してた

教師全員八つ裂きにしてやりたいよ

でもなそれやっちゃうと

お前の父さんじゃいられなくなるもんな

くやしいよ

この部分が本当に心に刺さります。いじめられた経験がある人って被害の大小あったとしても多いと思うんですよね。でも親目線の曲を私はこれ以外知らないです。

父親としてふがいなさがにじみ出てくるような歌です。ぜひ

 

「おめえだよ」はいやおめえだよ…っていう歌。

殺すつもりなんか 全くありませんでした

こんな歌詞から始まる曲があるかよ。男性が淡々と話しているような歌です。

最後まで聞くと題名の重さが伝わってきます。ボーカルの声も合っていてすごく好きですね。

 

妹の日記」は亡くなった妹の日記を読むお兄さんの歌です。

どこを切り取っても野暮になってしまうので割愛します。

この曲だけは泣いてしまいました。私は身近な人が物心ついたときに亡くなったことが少なく、人生の一部が欠けるような思いをしたことがありません。だからこの歌詞は異次元のことのように思えて、でもどこかでこれは起きているんだなと考えさせられます。

 

いやほんとに重いんで…ここに載っていないのも重いんですけど、全部話すと1日かかるのでやめます。

 

今回はMVがある「母さん」という曲を紹介します。

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見た感じお母さんに向けた曲というのはわかると思います。歌詞を引用しましょう。

 

母さん あなたは今でも僕を愛してくれていますか

親不孝者だったんですかね。子供というには大人っぽい文面。成人済みであろう男性が母親に問いかけます。

母さん あなたを僕は苦しめ悩ませたくさん泣かせたんだろう

子供というのはいつになっても親を悩ませるものですね。こういう気持ちを持つ人は多いと思います。

母さん とうとう来週の水曜日だよ

? 

母さん とうとう僕法律に消される

 

ここまで書くとわかりますね。この「僕」は死刑囚です。

それだけの罪を犯した「僕」は、この後も母親に対して気持ちをつづります。

この曲のすごいところはこれだけきつい歌詞なのに「僕」が何も悪びれていないところですよね。

歌詞を読めば読むほど「僕」の狂気性が伝わります。でもスローテンポのバラードにのせられると聞いただけではわからない。

これがミドリカワ書房のセンスです。

 

 

他にもいい曲がたくさんあります。

よかったら自分のお気に入りの曲を見つけてくださいね。

 

現場からは以上です。