えんがわあぶり

精神疾患を馬鹿にしていたら自分が精神障害者になっていた。

前世が私を創作したという仮説を唱える。

私はよく周囲の人間を見る。これは癖だ。

すぐに人をうらやむし、こうはなりたくないなと思うこともしょっちゅう。

自分を鏡で見ては「もう少しここが整っていれば」と反省会を開く。

 

自分を作ったのは神様だと思っていた。でも、それにしては不出来すぎる。

神様も毎日作るのは大変だから、ランダムとかで作っているのかもしれない。

水族館で大きなエビを見たときに「変態じゃないと造れない形だな」と思った。

シャチの標本は「土台がしっかりしてほしいタイプだな」と思った。

深海生物は神様の癖が出すぎている。となると、神様は大勢いることになる。

もしかして作る人は一人じゃないんじゃないか…?と考えて編み出した。

 

前世が来世を創作するシステム

きっと、生まれ変わるためのテストというか、そういうシステムがあるんだと思う。

期日も1年以内に設定されている。だから不十分な人が多いんだ。

顔の造形に時間をかける前世、面倒だからボタン一つでランダム来世をした前世、自分は苦労したから次はここを治して頑張りたい。と自己を投影して作る前世もいる。

私たちは前世の集大成で生まれた来世なんだと思う。スキルの上限は何回目の人生なのかっていうところとか、培ったものでまちまち。だから同じ時間があってもこれだけ人間性に差が出るのかもしれない。

 

橋本環奈は前世はおそらく芸術家。自分の体を作るというよりは、自分が生涯で培ったスキルを余すことなく使った最高傑作を作りたかったんだろう。おそらく彫刻が得意だった。橋本環奈がややたくましいのは女性像の体を参考にしているからかもしれない。

武井壮はむしろランダム。精神力と肉体のステータスがカンスト気味なのはそのせいだ。リセマラで当たったタイプ。

松岡修造は歯の美しさ、運動能力、熱血にステータスを振り分けたに違いない。天気に影響するのはその時に起きたバグの仕様だと思う。

岡崎体育の前世は音楽をやりたいと願ううちに年老いたサラリーマン。バンドマンに冷たい世界でも強く突き進む心と音楽の才能にステータスを振り分けた。よって一人でエンジンをする天才バンドマンが生まれたんだと思う。

サンボマスター山口隆は、音楽の才能に恵まれなかった前世が音楽、言語能力、人を感動させる力にスキルをすべて振ったことにより生まれた。

 

こうしてみると前世の性格が出てくる。

私の前世はおそらく女。スキル数は多くもなく少なくもない。何か培ったかと言われたら特筆することはなかった。でもとりあえず可愛くなりたい。顔に時間を書ける。幅広い二重だったから一重の方が憧れるな。うわ、信じられないくらい不細工になってしまった…最悪だ…。それなりに整えられたけどずっと顔を見続けたせいで何が正しいのかわからなくなった。よそ見して鼻をつぶした。うんざりした。そのままでいいや。来世で治せ、頑張れ来世。いや治せよ。

ステータスの振り方を考える時間。膨大な項目に嫌気がさす。とりあえず言語能力は人よりほしい。絵も描けるようになりたい。友人は少なくていいから対話能力は2くらいでいいや。熱血はうんざりするから0かな。愛嬌は9だろ…いや…対話に2しか入れてないから項目が開かない…だめだ…0だ…。右の人を見る。なんだあのステ振りは…信じられない…どんなけ徳積んだらその振り分けができるんだ。左の人はランダムだ。サイコパスに99振られている…来世で会いたくないな…嫌だな…。

そうこうしてあと一週間になってしまった。膨大な量の項目はいつまでたっても減らない。後ろ側からやろう。いつかたどり着くだろう。

 

…そうして何とかスキルを振り分けた。人徳に50振ったことで出会う半数は来世を助けてくれる。その半分に翻弄されないようにしないと…あれ…タフにスキル振ったっけ…まあいいか…ストレス耐性なんて項目もあったのか…可愛い女は軟弱じゃないといけないから軟弱に振っちゃったよ…愛嬌0のナヨナヨってなんなんだ…

 

ぶつぶつ言いながら〆切が来た。そして私は生まれた。

メンヘラながらも人に恵まれ人にけなされ、今日を生きている。

 

みなさんの前世はどんな前世だったんだろう。人の観察をするときによく思います。

とりあえずストレス耐性とタフにステ振り忘れた人が多そうですね。

 

現場からは以上です。